
大学もぐりって聞いたことありますよね。
自分の学部以外の講義や、ほかの大学の授業を聞いてみたいと思ったことがある人もいるのではないでしょうか?
今回は、大学のもぐりとは何か、バレたらどうなるのか、許可は必要なのかについて考えてみたいと思います。
大学の「もぐり」は、履修登録などの正式な手続きをせずに講義へ参加することを指す俗称です。大学の学生であっても、どの授業でも自由に参加できるとは限りません。
講義を聞きたい場合は、大学の教務窓口で履修・聴講の手続きを確認しましょう。他大学の学生や高校生には、公開講座や体験授業などが選択肢になります。
大学もぐりとは?
大学もぐりとは、授業への「潜り込み」を表す言い方です。
たとえば、学生が履修登録をしないで他学部の授業を聞く場合などに使われます。ただし、正式に登録して他学部の授業を受けることは、無断の「もぐり」とは違います。
他大学の学生や高校生、社会人が大学の講義を聞きたいと考えることもあるでしょう。その場合も、自分の立場に合った受講方法を確認する必要があります。
同じ大学に授業料を納めているからといって、定員や履修条件を無視してよいわけではありません。学内の他学部生は、まず履修要項やシラバスで他学部履修ができるかを確認しましょう。
聴講生・科目等履修生・公開講座との違い
大学に正規の学部生として入学する以外にも、授業を受ける制度があります。
| 方法 | 主な目的 | 確認すること |
|---|---|---|
| 他学部履修 | 在学生が所属学部以外の授業を履修する | 履修条件、定員、登録方法、卒業単位への扱い |
| 聴講生など | 主に単位取得を目的とせず授業を聞く | 出願資格、受講可能な科目、選考、費用 |
| 科目等履修生 | 大学の定める条件で特定の科目を履修する | 単位取得の条件、出願時期、科目ごとの受入れ |
| 公開講座・体験授業 | 一般向け・高校生向けに開かれた授業を受ける | 対象者、事前申込み、参加費、開催日時 |
制度の名称や単位の扱いは大学によって異なります。たとえば、慶應義塾大学SFCでは、単位取得を目的とする「科目等履修生」と、単位取得を目的としない「特別聴講生」を区別しています。一方、一橋大学は「聴講生(科目等履修生)」として案内しています。
「聴講なら誰でも無料」とは限らないので、受けたい大学・学部の募集要項を確認してください。
大学もぐりがバレたら罪になる?
大学もぐりがバレたら罪になるのでしょうか?
まず、無断で講義に参加すると、大学の規則や授業の運営方針に反する可能性があります。参加を認められているか確認を求められたり、受講を断られたりすることが考えられます。実際の対応は大学や状況によって異なります。
法律上は、刑法第130条に、正当な理由のない建造物への侵入や、退去を求められても応じない行為に関する規定があります。立入りの状況などによっては、こうした問題にもなり得ます。
ただし、「大学もぐりは必ず犯罪」「講義を聞くだけなら必ず合法」と一律には判断できません。許可の有無や立ち入った場所など、具体的な事情が関係します。
教室の人数が多いことと、受講が認められていることは別です。学びたい気持ちがあっても、参加する前に必要な許可と手続きを確認するようにしましょう。退室を求められた場合は、その指示に従ってください。
許可は誰に取る?他大学の学生や高校生は?
同じ大学の他学部生なら自分の学部の教務窓口、学外の人なら受講を希望する大学・学部の窓口に相談すると、制度を確認できます。
相談時には、自分の立場、受けたい科目、単発か継続か、単位が必要かを伝えると話が進めやすくなります。担当教員に相談する場合も、大学として必要な手続きを確認しましょう。
教員の了承だけで十分とは限りません。たとえば前述の慶應義塾大学SFCでは、研究生が授業を履修する際に、担当者の許可に加えて登録や聴講料の納入が必要な例が示されています。
高校生なら、高校生向けの公開講座やオープンキャンパスの模擬授業を探す方法もあります。通常の聴講制度には出願資格が設けられているため、高校生が利用できるかは個別に確認してください。
京都大学・山中教授の講義では参加した学生も
京都大学で以前行われた山中伸弥教授の講義は、履修登録をしていない学生も大勢参加した事例として知られています。
京都大学iPS細胞研究所の2015年5月28日の公式記事でも、その様子が報告されています。ただし、これは当時の特定の講義の記録で、現在の京都大学の全授業に自由に参加できるという意味ではありません。
当時の様子が伝わる投稿も紹介します。
山中教授の授業。。 😳🙏
ひとすごすぎる pic.twitter.com/6bPWfpNp31— 🐰 友 華 🐰 (@yukamigakis2) 2015年5月28日
教授来たよ #生物学のフロンティア pic.twitter.com/Xf6xAkmRG9
— aran (@o_a_math) 2015年5月28日
座れた! pic.twitter.com/IwEo3K5CtY
— はかせ (@yasuhira_jpn) 2015年5月28日
大学もぐりはすごいと思う
個人的に、自分の専門以外の講義まで聞きたいという学習意欲はすごいと思います。
わざわざ勉強したいという一心で、他学部の授業まで受けたいと思うのは素晴らしいことです。
しかし、大学の授業には定員や運営上のルールがあります。熱意があるからこそ、無断で参加するのではなく、先生や教務窓口に相談して、正式に学べる方法を選びたいですね。
正規の学生として入学する方法だけでなく、前に紹介した聴講制度や科目等履修制度、公開講座も検討できます。学びたい気持ちと、ルールを守ることは両立できます。
スティーブ・ジョブズも大学もぐりをしていた
あのAppleの創業者スティーブ・ジョブズが、退学後も興味のある授業に参加していたという話は有名です。
スタンフォード大学が公開する2005年の卒業式スピーチで、本人はリード大学を半年で退学した後も、約18か月間、興味のある授業に参加していたと語っています。
特に印象的なのが、カリグラフィー(西洋書道)の授業です。そこで学んだ書体や文字の間隔についての知識が、後にMacintoshの文字表示を設計するときに役立ったと振り返っています。
興味を持って学んだことが、後から仕事につながることもあるという話ですね。ただし、この回想だけでは当時の許可や手続きの詳細は分からず、日本の大学へ無断で入ってよい根拠にはなりません。
大学の必修科目について、「今の自分には何の役に立つのだろう」と感じることもありますよね。私も、必修でフランス語を取ったものの、その後に使う機会はほとんどありませんでした。
一方で、興味がある授業は頭に残りやすく、目的があるなら、その達成に役立つこともあります。受けたい講義が見つかったら、まず正規の受講方法を確認する。そこから学びを広げてみてはいかがでしょうか。
