言語文化学部と国際社会学部の違いは?
東京外国語大学には、言語文化学部と国際社会学部があります。
東京外国語大学なんだから、どっちを選んでも外国語を学べると思っている方は多いようです。
しかし、学べる内容は全然違います。
将来、キャビンアテンダントや外資系企業などで働きたいと考えている方はどちらの学部に行くかを慎重に選んだ方がいいでしょう。
今回は、言語文化学部と国際社会学部の違いをテーマにお話をさせていただきます。
東京外国語大学の言語文化学部と国際社会学部の違いは?
東京外国語大学の言語文化学部と国際社会学部の違いは、言語文化学部は言語学習に重点をおいており、国際社会学部は社会科学の学問に重点をおいていることです。
以下は、東京外国語大学言語文化学部の公式サイトに書いている教育目標になります。
言語文化学部の教育
言語文化学部では、世界のさまざまな地域の言語や文化の学習に重点をおき、日本を含む世界のことばや文化に精通し、優れた職業的能力を備えた国際教養人を養成します。
ことばは文化の一部ですが、同時に、その文化への入り口です。言語文化学部では、言語科目に重点をおき、4年間を通じて、入学時に選択した言語や英語、さらにはそれぞれの分野によって必要とされる外国語を多様に組み合わせ、高いレベルまで習得することが可能です。これを基礎に、専門教育では、ことばや文化を中心とする人間の営みを相対化できる視点を養います。
東京外国語大学言語文化学部の教育目標では、言語の学習に重点を置くことが何度も強調されています。
入学時に選択した言語と英語を高いレベルまで身につけることができるとのこと。
東京外国語大学を目指す人のほとんどは、英語などの外国語を身に着けて武器にしたいと考えているはずです。
実際、就職するなら、企業の人事は東京外国語大学の学生に確実に語学力を求めてくるでしょう。
東京外国語大学卒なのに、英語も話せないという人はかなり不利になると思います。
他の就活生に比べて、語学力があることは明確な武器となります。
なので、確実に語学力をつけるためにも、語学学習に重点をおいた言語文化学部の方がおすすめです。
一方、国際社会学部の教育目標は以下のように書かれています。
国際社会学部の教育
国際社会学部では、世界のさまざまな地域の複雑な仕組みを分析し、理解する能力を持ち、グローバルな視点から問題を考え、解決することができる実践的な能力を備えた人材を養成します。
現代の国際社会の成り立ちや、世界のさまざまな国と地域で生じている問題とその本質を理解するためには、適切な方法を身につける必要があります。国際社会学部では、諸地域の政治・経済・社会とその歴史についての知識を深めるとともに、社会科学と関連する諸分野の方法論を体系的に学びます。そのようにして得た知識と方法論をもとに、グローバル化の急速な進展の中で生じている紛争や対立、地球環境の悪化やエネルギー問題、地域間・階層間の格差と貧困など、現代世界で生じている諸問題の根源を洞察し、問題解決の道筋を示すことのできる分析力と行動力を養います。
東京外国語大学国際社会学部の教育目標では、社会科学的な問題解決の方法論を学ぶことに重点がおかれていると書かれています。
言語学習については、一切触れられていません。
もちろん、国際社会学部でも選択した地域に関する言語を学ぶことになります。
しかし、高いレベルにまで言語能力を持っていくのは難しいのではないでしょうか。
個人的に努力するのは別として、教育目標に言語習得が書かれていないことから、大学のカリキュラムの中で高いレベルまで言語能力を高めることはできないと考えられます。
なので、語学力を武器にしたいという目的で東京外国語大学を志望する方は、東京外国語大学言語文化学部に行くのがおすすめです。
言語文化学部と国際社会学部の違いはカリキュラムにある?
言語文化学部と国際社会学部の違いをカリキュラムから考えてみたいと思います。
どちらの学部も2年生までは、選択した言語とその言語に関する背景や教養科目を学習します。
しかし、3年生からは大きくカリキュラムが異なります。
言語文化学部は言語学習を3年からも継続することができるように、言語科目に卒業に必要な単位が多く配分されているのです。
入学後、最初は「世界教養プログラム」と呼ばれる2学部共通のカリキュラムで、入学時に選択した言語とその地域に関わる基礎的な内容や教養科目を学びます。言語文化学部では、言語科目に重点がおかれ、卒業に必要な単位が多めに割り振られています。英語やその他の外国語も含め、言語科目の学習は、基本的には4年間継続しますが、3年次からは学部のコースに進学し、専修科目としておかれている専門教育を受けることになります。
一方、国際社会学部はコースによって違います。
例えば、「現代世界論コース」の場合は、「ジェンダー論」などの課題別の学問を学ぶことになるのです。
なので、言語学習に重点をおきたい方には、言語文化学部がおすすめということになるでしょう。
社会科学などの国際関係の学問に興味がある方は、国際社会学部に行った方がいいですね。
入学後、最初は「世界教養プログラム」と呼ばれる2学部共通のカリキュラムで、入学時に選択した地域とその地域言語に関わる基礎的な内容や教養科目を学びます。その後、3年次からは学部のコースに進学し、専修科目としておかれている専門教育を受けることになります。「地域社会研究コース」の授業はおもに地域別の構成、「現代世界論コース」は「ジェンダー論」などの課題別の授業と学問分野別の授業による構成、「国際関係コース」はおもに社会科学の学問分野別の授業編成になっています。