偏差値65の大学はどのくらいのレベルか?
大学受験をする際に、大学の難易度を推し量る際には、多くの場合「偏差値」という指標が用いられています。
今回の記事では、その偏差値65の大学はどのくらいのレベルかテーマにお話をさせていただきます。
偏差値65というのは、大手予備校の難易度が高い模試を受験したことがある人には、かなり高い数値に感じるかと思います。
実際にどのような大学が偏差値65に該当しているかを、この記事でわかっていただければ幸いです。
目次
偏差値65の大学はどのくらいのレベル?
偏差値65の大学がどのくらいのレベルかというと、偏差値65以上の学生は正規分布のときには、受験者全体の上位6.7%に属している学生です。
この数値は、全体の受験生の中での約15人に1人という割合になります。
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それでは、高校ではどのような層をイメージすればよいのでしょう?
ざっくりとした体感でこの層のイメージは以下のようなものでしょう。
・東大に何十人と入る超進学校(高校偏差値70超)では、全体で中の下程度の成績の生徒
・常時、東大に数名合格する進学校(高校偏差値65 ~ 70程度)では、全体で中上位層の成績の生徒
・全員が大学進学はするが、東大には1人うかると英雄レベルでの高校(偏差値55 ~ 60程度)では、全体のトップ層の生徒
以上のようなイメージを掴むと、比較的わかりやすいと思います。
世間的には、勉強ができる優秀な生徒だと思われていたような受験生でしょう。
また、高校の偏差値から5 ~ 10を引いた偏差値が、その高校の卒業生が入学する平均的な大学と考えると比較的わかりやすいかもしれません。
偏差値65の大学はどこ?
実際に偏差値に照らし合わせて、偏差値65に該当する大学を紹介します。
偏差値65の私立大学はどこ?
偏差値65の私立大学は早慶下位学部やMARCH上位学部です。
偏差値65の私立大学を以下に示します。
・早慶下位学部
・上智大学・同志社大学上位学部
・MARCH最上位学部
・中堅私立大学医学部(帝京大学、東海大学、日本大学、杏林大学など)
・首都圏単科医大(岩手医科大学、金沢医科大学、東京女子医科大学、兵庫医科大学、藤田保健衛生大学など)
ラインナップからも、誰もが知っている名門大学・名門学部が並んでいます。
世間での評価が低くなることは、ほぼないと考えてよいと思います。
私立大学は学部によってかなり大きく差があります。
自分が進学したいと思う学部を具体的に調べる必要があるでしょう。
多くの大学では文系では法学系が、理系では化学や機械系学部が偏差値を高い数値をとる傾向にあります。
私立医学部に関しては、授業料が安い、首都圏にあることが人気の条件になっています。
ある程度都市から離れていたり、首都圏にあっても学費が高ければ偏差値65程度の受験生は、医学部に入学することが十分に可能です。
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偏差値65の国公立大学はどこ?
次に偏差値65の国公立大学を示します。
・京都大学の下位
・大阪大学、横浜国立大学、筑波大学、東京外国語大学の上位学部(医学部を除く)
・地方国立大学医学部、単科医大(北海道大学、秋田大学、旭川医科大学、愛媛大学、岡山大学、香川大学、鹿児島大学、群馬大学、高知大学、佐賀大学、札幌医科大学など多数)
・東京工業大学
このようなものがあげられるでしょう。
大学名から見ても、都市圏を中心に名門大学が並んでいます。
大阪、横浜国立、筑波、東京外などは、東大・京大を直前で受験を回避した学生も多く受験しており、都市圏にあることからも人気は高く、偏差値はかなり高い数値を推移しています。
受験層からも、最初から目指していた人と同数近く、目標を下げて受験した人数も多く、学力はかなり高いものであるといえます。
また、医学部は国立大学は非常に学費が安いので、地方でも大人気です。
その中でも北海道の医学部は、旧帝国大学の医学部であり超名門なので、狙い目であるかもしれません。
偏差値65の大学はどのくらいのレベルの企業に就職する?
偏差値65の大学はどのくらいのレベルの企業に就職することができるかというと、メガバンクなどの超大企業に就職する人が多いです。
就職をかなり強く意識する層は私立文系の生徒に非常に多いことと思います。
そこで、代表的な例として上智大の就職先上位トップ10 (2015年)を確認してみましょう。
企業名 | 男 | 女 | 合計 |
みずほフィナンシャルグループ | 23 | 22 | 45 |
三井住友銀行 | 15 | 16 | 31 |
三菱東京UFJ銀行 | 7 | 17 | 24 |
全日本空輸 | 0 | 23 | 23 |
損保ジャパン日本興亜 | 4 | 15 | 19 |
NTTデータ | 12 | 6 | 18 |
日本アイ・ビー・エム | 8 | 10 | 18 |
東京海上日動火災保険 | 2 | 12 | 14 |
日本航空 | 6 | 8 | 14 |
三菱UFJ信託銀行 | 6 | 8 | 14 |
以上からも分かる通り、偏差値65の大学の卒業生の就職先は、超大企業がかなり多いです。
上位大学に多いメガバンクを中心とした金融系の企業が上位を占めています。
就活のときに学歴フィルターをそこまで感じることは多くないでしょう。
しかし、注意しなくてはならないのは、女生徒の割合がかなり高く出ていることです。
もちろん、女性中心な校風である上智大学であることが原因であることも大きく考えられます。
しかし、就職する際には主に転勤や激務などを伴い高収入が保証される男性が中心に活躍する「総合職」と転勤がなく、事務よりの仕事が多いかわりに給料が少ない女性中心の「一般職」に大きく分かれます。
一般職は総合職に比べて平均的な学歴は2,3ランク落ちることが多いので、東大京大や早慶OBが総合職として牛耳っている有名企業の一般職には、偏差値65程度の女性が一般職としては適正となっています。
この表にある女性の割合が高い企業は、多くの場合が一般職として就職していることが考えられることから、バリバリ働いている人たちが偏差値65の層、と一概には考えることはできません。
実際に行きたい大学の就職先を見る際には、男子の割合が高い就職先を見ることも重要です。
また、体育会系の部活に属することで学歴が2,3ランクアップ扱いになることが就活の実情です。
人気・高収入企業の多くは体育会系部活OBであることも頭に入れておきましょう。
偏差値を鵜呑みにするのは危険
偏差値とは、試験を受けた受験者全員の点数と自分の点数を比較し、点数のデータを正規分布に従うということを仮定し、平均が50、標準偏差10に規格化した数値です。
駿台や河合塾など、主催する予備校によって受験者層は違いますし、各予備校の模試の難易度の違いでも大きく異なっています。
単純に偏差値だけで、国私立、私文を混同して難易度を比較する人が多くいますが、受験科目も大きく異なるこれらを直接比較するのはナンセンスでしかありません。
多くの公表されている偏差値が、私立と国公立、理系と文系で分けられているのはそのためです。
目安では、文系>理系、私立>国立と数値が高くでる傾向にあります。
体感する頭の良さよりも、私立文系の受験生はかなり高い数値がでることも多々あるでしょう。
偏差値はそれぞれ受験した試験に対応している数値であり、あくまでも目安でしかありません。
そこには注意して、目安として受験校の選定を行うべきです。