早稲田大学の文系を受験する予定の方から質問を受けることが多いのですが、
みなさん”選択科目をどれにしたらいいか?”で悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は”おすすめの選択科目は何か?”をテーマにお話をしたいと思います。
目次
早稲田大学文系で最も有利な選択科目は政治経済?
個人的には、”政治経済を選択科目とするのが最も有利”だと思います。実際僕は高校中退でゼロの状態から1年で早稲田大学に合格したのですが、”政治経済を選択”しました。
政治経済を選択科目とする1番のメリットが”暗記量が少ない”ことです。世界史や日本史に比べて”3分の1以下”ですむといわれているくらいです。
だから、政治経済にあてる時間が少なくて済むので、英語や国語に時間を使うことができるようになります。あくまで社会科目の配点は全体の3分の1程度しかありません。なので、結局”合否を決めるのは英語や国語”なんですね。そのため、英語や国語を最大限伸ばすために、暗記量が圧倒的に少ない政治経済を選択科目とすることが大切なのです。
ただし、政治経済を選択科目とすることでのデメリットもあります。それは、慶応義塾大学との併願ができなくなるということです。慶應義塾大学の文系学部では社会で政治経済は選択できないんです。
ですが、早稲田一本に絞るのなら問題ないはずです。”二兎を追うもの一兎をもえず”ということわざがあるように、どちらかに絞って選択科目を選んだ方がメリットを享受できるので合格する確率は上がりますよ。
対策方法も簡単で、まず網羅性のある参考書を1冊仕上げます。僕は「政経ハンドブック 清水 雅博」を使いました。そして、模試や過去問などで知った新しい知識はこの参考書に書き込んでいくんです。
後は、早稲田文系のすべての学部の政治経済の過去問を5年分以上解いて全部覚えます。最後に、予備校のサテライト講座で”時事の授業”を冬休みにとれば対策は完璧です。
おそらくこれで今も早稲田で合格点がとれると思います。この分量って日本史や世界史に比べると、圧倒的に少ないですからね。分量的には半年で十分こなせる量ですよ。ほんとお得な科目だと思います。
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数学は国立組が受験するので私立専願には不利?
もう1つ有利とされている選択科目が数学です。しかし、僕はむしろ不利だと思います。その理由についてこれから説明させていただきます。
まず、数学は”点数が安定しにくい”ということです。もし初めの設問で計算ミスをしたりして間違ってしまうと、その後の設問がすべて間違いになってしまいます。地歴公民などの暗記科目ではこんなことは絶対に起こらないという点で、数学選択のデメリットといえるでしょう。
もう1つは、数学選択者は、東大、一橋、医学部受験組などの超頭のいい人たちが受験してくるということです。はっきりいって東大落ちの人たちと私立専願が数学で勝負しても勝ち目はありません。なので”かなり不利”になります。
母集団がハイレベルなために平均点が上がることになり、その結果、他の科目との”得点調整で不利になる”と考えられます。
追記2018/02/25
2017年度早稲田大学入試の受験者平均点データによると、数学の平均点は政治経済学部・商学部・社会科学部すべてでもっとも低くなっております。
受験者平均点 | 日本史 | 世界史 | 政治・経済 | 数学 |
政治経済学部(70点満点) | 36.739 | 36.386 | 34.450 | 32.880 |
商学部 (60点満点) | 30.655 | 36.479 | 30.244 | 9.919 |
社会科学部 (40点満点) | 18.809 | 25.123 | 19.301 | 13.768 |
といっても、数学より政治経済選択がおすすめなのは変わりません。
実際、私は早稲田を卒業後、国立大学医学部に再受験し合格しています。
そのとき、数学をゼロから医学部レベルまで偏差値を上げましたが、政治経済とは比べ物にならないくらいの膨大な学習量が必要でした。
早稲田なら医学部レベルは要求されないでしょうが、私大トップの2次試験レベルに数学の成績をあげるのがいかに大変かは想像がつくでしょう。
平均点が低いということはそれだけ難易度が高いとも考えられますからね。
また、勉強したからといって”努力に比例して成績が上がるとは限らない”という点も数学選択のデメリットといえるでしょう。社会科目は基本的に暗記科目なので、知っているか知らないかで点数が変わります。なので、やればやるほど点数が伸びるのです。
それに対して、数学は解法のパターンを組み合わせたり、計算をしたりと単純な暗記というよりは知識の運用が試されます。そのため、勉強したからといって成績が上がるわけではないんです。
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残りの日本史と世界史ではどっちが有利か?
日本史と世界史では、どっちが有利とかはあまりないですね。分量もそれほど変わらないですし、受験できる大学や学部もどちらも多いです。そのため、どっちかで迷っているなら好みで選べばよいと思います。
日本史は、戦国時代の武将が好きだったりして興味があったら覚えやすいでしょう。ただ、”漢字での暗記が中心”になるので漢字が苦手という人はやめておいた方がいいですね。
一方、世界史は、中国の三国志やローマ帝国の時代に興味があったら覚えやすいでしょうね。”カタカナでの暗記が中心”になるので漢字を覚えなくていいという点では日本史よりも楽かもしれません。
ただし、日本史や世界史では重箱の隅をつつくような”マニアックな問題”が出ることも覚悟しておいてください。その分、マニアになるほどきわめてしまえば、他の人に差をつけるチャンスがあるともいえますが、そうでない方にとっては少し不利といえるでしょうね。
後、日本史や世界史は”範囲がめちゃくちゃ多い”ので、半年程度では早稲田レベルの問題で合格点をとることはできません。少なくとも1年以上時間が取れるという状態から始めなくては間に合いません。
選択科目に地理は選べるの?
地理は”教育学部の文科系A方式”でしか選択科目とすることができません。なので、他学部を併願したい人にはおすすめできません。
慶應義塾大学もほとんどの学部で選択できませんから、地理を選択するメリットは全くないと思います。
高得点がとりやすいというメリットもないですし、絶対に選択しない方がいいでしょう。
選択科目が政治経済で受けれる大学は?
僕は早稲田大学を受験するなら政治経済を選択科目とすると受かりやすいと考えています。では、政治経済を選択科目とした場合、受験できる大学はどこがあるのでしょうか?
早慶上智の中だと社会科目を政治経済で受験できる大学は早稲田大学だけです。
ですが、MARCHレベルだと、立教大学以外の明治大学、青山学院大学、中央大学、法政大学の多くの文系学部で政経選択が可能です。
なので、慶応も併願したいという人にはおすすめできません。しかし、早稲田専願で滑り止めにMARCHレベルと考えている人にとってはおすすめできます。
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まとめ |受験の選択肢が減っても政経選択の価値はある
政治経済を選択科目とすると、日本史や世界史を選択科目としたときよりも、受験できる大学や学部の選択肢は結構減ってしまいます。でも、それ以上にメリットの方が大きいと考えています。
どうせ進学できる大学は1つなんですし、受験は合格しないと意味ないですから、政治経済選択で少しでも社会の負担を減らして、勝負科目となる英語と国語に時間をたっぷりと使うことで早稲田大学への合格率は飛躍的に向上するはずです。
受験で合格するには戦略が最も大事。
志望校選びや選択科目を何にするかというところから受験はもう始まっているんです。
あなたの選択があなたの将来を決めるんです。
慎重に選びましょうね。