慶応の小論文対策 傾向、難易度を学部ごとに分析した

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慶應義塾大学の小論文は学部ごとに出題傾向や難易度が全然違います。

そのため、いくつかの学部を併願して受験する場合、学部別に対策を行う必要があります。

そこで今回は、小論文の学部ごとの出題傾向や頻出テーマをまとめてみました。

ぜひ志望校対策に活用して合格を勝ち取ってください。

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各学部の小論文対策へは、以下の目次をクリックすると飛ぶことができます。

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慶應義塾大学文学部の小論文対策 傾向と難易度

慶應義塾大学文学部の小論文 出題傾向

年度出題形式制限時間(分)総解答字数テーマ難易度
2017要約・意見論述90 760 「分け与える」をテーマにした経済人類学普通
2016 要約・意見論述 90 760 「名付ける」という行為普通
2015  要約・意見論述 90  760 科学知識とはやや難

文学部の小論文の傾向は、過去3年間ほぼ同じです。

問題形式は、1問目が、300~360字以内での要約。

2問目は、文章のテーマに関した自分の考えを320~400字以内で論述するというもの。

制限時間は90分で難易度もほぼ普通レベルです。

テーマも人類の文化全般を内容とした人文科学的なものが多いですね。

出題傾向が毎年同じなので文学部の小論文は対策しやすいといえるでしょう。

文学部の小論文対策

●長文の要約手法の習得と練習
●人文科学の主要テーマに関した知識の習得
●基礎的な小論文の書き方の習得
●過去問や参考書で、頻出テーマについて小論文を書いて添削してもらう

必ず毎年要約問題がでているので、要約の方法を勉強して何度も要約の練習をすることをおすすめします。できれば予備校の先生とかに添削してもらった方がいいですね。

自分だとどこがダメかわかりませんから。

自分の考えを述べる意見論述も毎年出ています。

基本的な小論文の書き方も勉強しておく必要があるでしょう。

幸いなことに本文のテーマが人文科学系ばかりなので、人文科学系の主要テーマについて参考書などで勉強しておいた方がいいですね。

論文の書き方、背景知識を身につけたら過去問や参考書で実際に書いてみましょう。

書いた論文は必ず第三者に客観的に添削してもらいましょう。

自分では気づけないダメなポイントを見つけてくれるものと思います。

後は、河合塾が主催している「全統論文模試」などの小論文模試も受けて自分の実力を知ることも大切です。

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慶應義塾大学経済学部の小論文対策 傾向と難易度

慶應義塾大学経済学部の小論文 出題傾向

年度出題形式制限時間(分)総解答字数テーマ難易度
2017 課題文説明問題・意見論述 60 600 ソクラテス的議論(政治哲学) 普通
2016 課題文説明問題・意見論述 60 600 自由とは(政治哲学) 普通
2015 意見論述2問 60 600 知識とは(人文科学、経済) やや難

出題形式は過去2年は課題文説明と意見論述が1問ずつだったが、2015年は意見論述が2問という構成でした。なので、課題文説明と意見論述に対する対策を行っておけば問題ないと考えられます。

制限時間は60分、総解答字数は600字、難易度はほぼ普通レベルとその他の傾向は例年同じです。

ここ2年は政治哲学の文章が出題されたが、2015は人文科学、2012は科学的研究で化学の知識が必要であったということから、やはり看板学部だけあってテーマも絞り切れず様々な知識が試されているといったところです。

一筋縄ではいかないものと思われます。高校1年の頃から理科や現代社会などの科目もコツコツ頑張っていた優等生タイプの人に有利な感じがします。

また、意見論述では、2017に「ソクラテス的議論ができる人は組織でどう活躍できるか?そのために組織はどう条件を整えるべきか?」といった問題が出されており、経済に関連した知識もあった方が有利な問題が出題されています。

経済学部の小論文対策

●長文の読解手法を学ぶ
●説明問題の解答方法の習得と演習
●政治哲学の主要テーマに関した知識の習得
●基礎的な小論文の書き方の習得
●過去問や参考書で、頻出テーマについて小論文を書いて添削してもらう

課題文説明問題が出ると考えられるので説明問題の解答の方法を学び、練習しておくべきです。また、説明するためには課題文をきちんと理解する必要があるので、長文の読解手法もまなんでおかないといけません。

また、ここ2年出ている政治哲学に関する知識を蓄えておくのも大切です。経済学部は他の分野からの出題も十分考えられますから、広範囲に知識の習得をしなければいけません。

また、小論文の基本的な書き方も勉強しておきましょう。

過去問や参考書で実際に書いてみて予備校などで添削してもらうことも大切です。

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慶應義塾大学法学部の小論文対策 傾向と難易度

慶應義塾大学法学部の小論文 出題傾向

年度出題形式制限時間(分)総解答字数テーマ難易度
2017 意見論述 90 1000以内 「立 憲主義での公私の 区 別 」と「公的な仕 組 み」について(法学) 普通
2016 要約・意見論述 90 1000以内 トインビーの文明観 普通
2015 要約・意見論述 90 1000以内 生物多様性と人間社会での関係価値 普通

問題表紙には、以下のように評価ポイントが書かれています。

目的は受験生の理解、構成、発想、表現などの能力を評価することにある。そこでは説明資料をどの程度理解しているか(理解力)、理解に基づく自己の所見をどのように論理的に構成するか(構成力)、論述の中にどのように個性的・独創的発想が盛り込まれているか(発想力)、表現がどの程度正確かつ豊かであるか(表現力)が評価の対象(以下略)

出典:平成27年度 慶應義塾大学法学部論述力試験 表紙

これによると、資料の理解度、論理的な構成力、独創的発想、表現の正確性と豊かさが評価されると書いてあります。

このような記述は法学部にしかなく、独自の採点基準と考えられます。

受験生はこれらの評価ポイントを満たすように答案を作ることを心掛けた方がいいでしょう。

さて、制限時間は90分、総解答文字数は1000字以内、難易度は普通というのは例年変わりません。

出題形式は、意見論述は毎年出ていますが、2015、2016は要約も出ていました。なので、要約と意見論述に対する対策が必要となるでしょう。

テーマはこれといって絞ることができず、広範囲なテーマに対して対応できるようにしておくべきです。

法学部の小論文対策

●長文の読解手法を学ぶ
●要約の方法の習得と演習
●広範囲なテーマに関する知識の習得
●基礎的な小論文の書き方の習得
●過去問や参考書で、頻出テーマについて小論文を書いて添削してもらう

法学部は出題形式は、文学部と同じで要約と意見論述です。

なので、それらに関する解答方法を学んで演習しておくことは必須でしょう。

また、小論文の書き方に関しても同様に対策しておきましょう。

過去問や参考書での演習と予備校などで先生に添削してもらうことはもはや必須です。

慶應義塾大学商学部B方式の小論文対策 傾向と難易度

慶應義塾大学商学部B方式の小論文 出題傾向

年度出題形式制限時間(分)総解答字数テーマ難易度
2017 言葉の意味、内容合致、空所補充、内容説明 70 教養人となるには?、因果関係があると判断するために必要な基準 易
2016 言葉の意味、内容合致、空所補充、内容説明 70 主張の根拠づけ、有意な差についての統計学的内容 易
2015 空所補充、内容説明 70 期待値理論、人口統計、命題の論理的関係 普通

商学部B方式の小論文は、もはや小論文ではありません。

完全に現代文の問題です。ほぼすべてが選択式で20~50文字程度の記述問題が数問あるだけです。

なので、これといった小論文の対策をしていない人でも十分合格することは可能です。

早稲田やマーチとの併願も可能ですね。

しかも、内容も易しいですし、古文や漢文がないので勉強する範囲もかなり少なくて大丈夫なので穴場な学部といえるでしょう。

商学部B方式の小論文対策

●記述式の現代文対策をする

小論文の対策は必要ないでしょう。記述式の現代文の対策で十分です。

慶應義塾大学総合政策学部の小論文対策 傾向と難易度

慶應義塾大学総合政策学部の小論文 出題傾向

年度出題形式制限時間(分)総解答字数テーマ難易度
2017 要約・解釈の図示・解釈の説明 120 800 因果関係と相関関係 難
2016 要約・説明・意見論述 120 1100 格差 普通
2015 要約・意見論述2問 120 800 統計と意思決定 やや難

制限時間120分は毎年同じですが、それ以外は毎年変わっています。

出題形式に着目すると、要約は必ず出ていて、意見論述もよく出題されているということが分かります。解釈の図示と説明という変わった出題方法も試されていますが、結局は本文の読解力や自分の意見があるかということを試されているのであって問われている能力は同じですから、あまりビビる必要はないでしょう。

学部の理念として「問題の発見や解決」が掲げられており、その理念に沿った問題がつくられています。

それゆえに、問題の設定、構造的分析の手法、解決策、未来予想などについての問題が出たことがあります。2017の因果関係も、2015の統計も構造的分析の手法に含まれることからわかると思います。

テーマは教育や社会問題などの時事問題が中心。

提示される資料は、新聞記事や論文、書籍などから出されています。

だから、日ごろから新聞などを読んで知見を深めているかどうかが大切です。

総合政策学という学問についても知っておいた方がいいでしょう。

総合政策学部の小論文対策

●要約の方法の習得と演習
●広範囲なテーマに関する知識の習得
●総合政策学について知っておく
●基礎的な小論文の書き方の習得
●過去問や参考書で、頻出テーマについて小論文を書いて添削してもらう

要約は必ず出題されていますからしっかりと対策をしましょう。

総合政策学という学問自体についての知識も問われていますから、知っておくべきです。

テーマは時事問題が多く広範囲ですから、日ごろから新聞を読んでおくといいでしょう。

また、小論文の書き方も勉強して書いてみて添削してもらうことも必要です。

慶應義塾大学環境情報学部の小論文対策 傾向と難易度

慶應義塾大学環境情報学部の小論文 出題傾向

年度出題形式制限時間(分)総解答字数テーマ難易度
2017 自分の考えを論述・模式図 120 1000 解決したい課題について 普通
2016 スライドのプレゼン資料作製・自分の考えを論述 120 900 モノやコトの登場した背景と将来像 普通
2015 タイトル付け、自分の考えを論述 120 1240 課題領域・解決のためのアイデア 普通

環境情報学部も総合政策学部と同様、出題形式が毎年変わっています。

ですが、共通したテーマとして「新たな課題の発見とその解決」が共通しています。

このテーマに即して受験生の独創的なアイデアをさまざまな形式で試しているというわけです。

なので、根本的に課題の発見と解決に対して、自分の考えを用意しておけば本番で対応可能であると思います。

環境情報学部の小論文対策

●新しい課題とその解決策を複数考えて用意しておく
●その解決策が魅力的なものになるような図や文字説明を考えておく
●基本的な論文の構成方法を学んでおく
●過去問を演習して添削をしてもらう

結構テーマが毎年似ているので、社会問題とその解決策をあらかじめ用意しておくといいと思います。いくつか用意しておいてその中から書く内容を選べばいいでしょう。

また、文字だけでなく、図でも説明できるようにしておくといいですね。

説得力のある文章にするためにも、基本的な論文の構成は学んでおきましょう。

最後に、過去問を演習して添削してもらえば問題ないと思います。

まとめ |複数学部受験もできる

学部ごとの傾向を詳しく分析してきましたが、結局傾向が違うといっても大体は要約か意見論述です。

なので、要約と意見論述しか出ない文・経済・法学部に関しては併願しても、少ない労力で対策ができます。

ただし、総合政策学部と環境情報学部に関しては、出題形式が特殊ですから、個別の対策が必要となるでしょう。

結構頑張ってまとめたので、もし役に立ちましたらツイート、いいね、はてぶしてください。

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